演奏会雑録帳
2001年以前に行った演奏会の感想です。本体記事と重複してるものもあります。
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1994(平成6年)
(カルロス・クライバー/ウィーン国立歌劇場)

10月18日:東京文化会館
Rシュトラウス/ばらの騎士、全曲


 20年前にバイエルン国立歌劇場との来日公演時以来の同曲演奏というだけでなく、待望のウィーンとの初顔合わせということもあり、この公演の前売りは異常な人気をよび、最高券がなんと65000円だったにもかかわらず満員御礼で、しかもかなりのキャンセル待ちが出るほどの事態となりました。

 自分が聴いたのは、10月18日における東京文化会館での演奏でしたが、演奏はその期待に違わない最上級の演奏となりました。ウィーン・フィルがこれだけ不純物のない、極上の響きと完璧なアンサンブルで演奏したことは、ひよっとすると日本ではかつてなかったのではないかと思わせるほど、そこにはまさに「黄金の響き」と形容したくなるほどの、輝かしい響きがそこにありました。特に第二幕のオクタヴィアンの登場シーンでのオケのまばゆいばかりの輝きは、目も眩むような圧倒的なものがありました。

 またその解釈もこの公演のちょうど40年前に録音されたカルロスの父、エーリヒによく似ており、この曲がクライバー家の十八番であるかのような気さえしたものでした。たしかに音の質感はエーリヒの方があり、カルロスの方がエーリヒより旋律を長大につなぎ歌わせる傾向があるものの、全体から受ける印象は前述したとおりで、曲と指揮者がほとんど同一化したような気さえした、きわめて稀な演奏がそこでは展開されていました。

 私がいた一階席からは、ちょうどクライバーの指揮姿がよくみえたのですが、あるときはオケをひっぱり、あるときはオケと音楽をたのしむようなその多彩な指揮姿はたいへん印象的で、特に第二幕冒頭で、身体をねじりながらオケの弦を思いっきりひきずるようにしてはじめた部分では、突然50年代のころの昔かたぎの指揮者のような表情が聴こえ、この指揮者のあまり感じなかった部分を垣間見たような気がしたものでした。

 それにしても終幕の三重唱と二重唱。ほんとうに気の遠くなるような、それでいて鳥肌がたちまくった超絶的な演奏でした。あのような音楽に接することがこの後あるのかどうか。自分の生涯経験した最高の演奏会のまぎれもないひとつでした。
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