演奏会雑録帳
2001年以前に行った演奏会の感想です。本体記事と重複してるものもあります。
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1991(平成3年)
(ヴァーツラフ・ノイマン/チェコ・フィルハーモニー)

11月13日:東京芸術劇場
ドヴォルザーク/交響曲第7番
ドヴォルザーク/交響曲第9番


 この公演は前日との曲目と一部交換変更されたものです。ノイマンはこのとき数年前からやや健康に不安視されるような情報がいろいろあったため、ちょっと不安に思っていたのですが、それは指揮台に出てきた時のノイマンの姿をみて確信に変わってしまいました。驚いたことにノイマンは前回みたときより身体が倍近く太っており、しかもそれは貫禄が出たというより、不健康に全身がむくんでしまったように見受けられ、その指揮ぶりもなにか息苦しいものほ感じたものでした。ですがこの時演奏された二曲は生涯忘れられないものとなりました。

 最初の七番は曲想もあるでしょうが、それ以上にとにかく息苦しいくらい重く暗く、そして重圧的な演奏となりました。チェコフィルの音もとても暗く陰鬱な響きになっており、十日程前にクーベリックの指揮の下であれだけ晴朗壮麗な音楽を奏でていたオケとても同じとは思えないほどでした。(この演奏は後にポニー・キャニオンからCD化されました。)

 そして後半の「新世界」。これもまた前半同様の音楽がチェコフィルから奏でられており、9年前の同じコンビの「新世界」とは似ても似つかぬものとなっていました。(自分はチェコフィルのライブにはそれ程足繁く通ってはいないものの、このような音のチェコフィルにはこのとき以外接した記憶はありません。)

 この日演奏された二つのドヴォルザークは、とにかくまるで冬の日本海の空のような色彩に彩られた、しかも遅めのテンポ設定もあってか、ドヴォルザークとしては破格の重厚壮大なものになっていました。しかもまたとても暗い表情を全曲を通して持ったものになっており、従来のドヴォルザーク像を覆すような出来となっていました。会場の反応も戸惑いのようなものがあったようで、その拍手もなにか凄いものを聴かされたのはたしかだが、はたして拍手を盛大に贈るべき類のものだろうか、というかんじがありありとわかる反応の仕方でした。

 自分はこの演奏を聴き終えた時、「ノイマンを聴く時間はもうそんなに残されていない。」と、死の影のようなものがこの指揮者に忍び寄りつつあることを直感したものでした。それはこの指揮者がいかに厳しい条件下で指揮活動を行い、しかもそれが心身ともにとてつもないダメージを、長年に渡って負い続けることになってしまったかいうことの証明でもあったように感じました。

尚、現在ライヴノーツ・レーベルで発売されている、ノイマン指揮東京フィルハーモニーによる「田園」「野鳩」「ダフニスとクロエ」第2組曲が収録されているCD(WWCC-7331~2)は、この公演の6日後に行われた第331回定期公演における実況録音です。


●ノイマンの思い出
http://www003.upp.so-net.ne.jp/orch/page320.html
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