演奏会雑録帳
2001年以前に行った演奏会の感想です。本体記事と重複してるものもあります。
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1977(昭和52年)
(カール・ベーム/ウィーン・フィルハーモニー)

3月3日:NHKホール

ベートーヴェン/交響曲第6番
ベートーヴェン/交響曲第5番

 1977年の3月2日にNHKホールで演奏された、カール・ベーム指揮ウィーンPOによる「田園」と「運命」。これはベートーヴェン没後150年を記念して行われた演奏会の一環として行われたもので、とくに「運命」はこの指揮者の日本公演としては、1963年の「フィデリオ」、1975年のブラームスの第一交響曲に匹敵する、空前の名演といえると思います。

 カール・ベームがウィーンPOと来日したこの77年の「運命」。自分はこの録画のあった翌3日に聴きに行きました。前日2日に(今回発売される)「運命」がFMで生放送されたのですが、その轟轟とした圧倒的な響き、一線を越えたようなホルンの咆哮と渾身の力をこめたティンパニーのうちこみに異常なほど興奮したものでした。

 そして実際に行った3日の演奏も凄絶の限りを尽くした「運命」がホールに轟きました。たしかに自分のいたNHKホールの3階にはそれらはFMに比べ音量的にやや乏しかったものの、FMで聴いた、いやむしろそれ以上の鬼気迫る演奏がそこには展開されていました。1975年に行われた一連の演奏に比べると、きもち造形に崩れが感じられるものの、83歳の指揮者が体当たりで渾身の力をこめながら音楽に立ち向かい、鬼のような気迫で音楽を叩き出すその凄まじさには言葉がなく、ウィーン・フィルも音の美しさをたもちながら、ベームの尋常ならざる気迫に音楽をもって音楽の一線を越えようとしているようで、音楽をギリギリのところまで追い込んでいこうとしているような、なにか殺気のようなものすら感じたものでした。

 特に終楽章はそれらが完全に一本化され、まさに一音一音が「入魂」という言葉でしか表現できないような圧倒的な説得力と、もうこの演奏とともに燃え尽きて悔い無しといわんばかりの尋常とは思えない「燃焼」が、分厚い響きをともないながらベートーヴェンの音楽を抉り出しそして炎上していく、そんなかんじの音楽が展開されていきました。(これらはたしかに現代の感覚からいうとキズが多い古いタイプの演奏かもしれませんが、これはこれで後世に残る音楽遺産のひとつだと思っています。)

終演後隣の席のひとが連れらしい人に「もう今ここで死んでもいい」と拍手しながらいっている言葉が聞こえてきました。さすがに自分はそこまでは思わなかったものの、この言葉の真意はいたいほど感じたもので、終演後30分以上続いた拍手の嵐は、同じような気持ちになった聴衆が自分やその人だけではなかったことをと如実にものがたっているように感じました。
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